指輪 布川敏和 BLコミック


「あっ……そんなとこに…バカ…やめろよ」。羽田野の視線をチラッと追っただけで、すぐに元に戻した飯島は素直(すなお)に同意はしたが、その声からはあからさまな無関心が聞き取れた。天界ゼウス歴5‐092年6の月―――情熱が、迸る。…いい香りだ。淫靡(いんび)な仕草と、瞳也に向ける流し目が、ぞくぞくするほど艶(つや)っぽい。「だってっ…何も言わなかったっ…」。初めてのキスの余韻に、甘く浸ることもないまま。

快感と安心とが同時に訪れて、三枝は身も心も蕩(とろ)けてしまいそうだった。

「す、すいません」。窓ガラス越しに表の通りを見渡せ、なおかつ広いホールの奥まった位置の静かな席で、飯島豊(いいじまゆたか)は手元でメニューを広げながらも、ぼんやりと外を眺(なが)めていた。宮地は許されたのかと思って、さらに強く灯位を抱き寄せていた。「申し訳ありません。書類が行き違いになっていたようです」。

「……わかりました。何か必要なものがあれば言って下さい。佐野さんにお願いして持ってきてもらうようにいたしますので」。派手さの欠片(かけら)もない、質素な看板だ。「……全力で阻止する」。いいよ、というように実生は首を振った。おずおずと近づいた昭人を跪かせ、雅也は襟から腹にかけてのジッパーを下ろした。「食べるのに手いっぱいだっただけ。泰昭こそ、俺がやるから座って」。

部屋の中央を占めるダブルベッドの中では、ダブダブのパジャマに身を包んだ山岸(やまぎし)トオルが片頬(かたほお)を柔らかな枕(まくら)に埋(うず)め、心地よさそうな寝息をたてていた。爆発の原因は、恭一の隣室の住人だったOLが、自殺を図って部屋に充満させていたガスに、静電気の火花か何かが引火してしまったかららしい。


ボーイズラブ小説作品紹介


俺・友貴は平凡な家庭に育ったごくフツーの大学生。コンパの帰りに意識を失い、目覚めればなんと手足を縛られ監禁されてしまっていた!男の俺を誘拐した目的はなんなんだ?さらに全裸にする理由は?そのうえ背筋がゾクゾクするような気持ち良さは一体……って……!?

タイトル:スパイラル・トラップ
著 者 名:綺月陣
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:オークラ出版

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